日常生活の中で誰しもが、長時間正座して足がしびれた事や、朝起きた時に体の下敷きになっていた手がしびれていることなどを経験したことがあると思います。これは、正座などにより血行が一時的に悪くなった後、血流が再開した際に、神経が刺激され出るしびれだと言われています。しかし、症状に応じて原因はさまざまであり、そのしびれ方やしびている場所、範囲、時間帯などを詳しく知る必要があります。下記では、その症状について種類別に分けて説明していきます。

◆しびれの症状には、どんな種類がある？？

　・頚椎症性神経根症
　首や肩甲骨付近、腕や手指など広い範囲でしびれを感じる場合この症状の疑いがあります。これは、加齢による首の骨（頚椎）やその周りの組織が変化することで神経を圧迫してしまう状態です。片側のみ症状が出ることが多いです。
　人によっては、首や腕に違和感を感じたりする事もありますし、動かしづらい、さらには筋肉が小さくなってしまう（萎縮）など多岐に渡ります。

　・手根管症候群　

　親指・人差し指・中指と薬指の親指側半分の手のひら側だけがしびれている場合は、「正中神経」の障害が考えられ、手根管症候群が疑われます。これは、正中神経が手首にある「手根管」というトンネルのような所を通る為、そこが何らかの原因で圧迫されているとしびれとして症状が出ます。
　初期や軽症の時は、人差し指や中指のしびれだけのこともあります。朝目が覚めた時にしびれや痛みが強くなり、手指を振ったりして動かすと軽くなるのが特徴です。また、ひどくなると親指の付け根がやせて親指と人差し指できれいな丸（OKサイン）ができなくなり、物をつまんだり、縫物など細かい手作業がしづらくなります。
　ホルモンバランスが変わる妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられ、そのほか骨折などの怪我、仕事やスポーツでの使い過ぎなどで見られます。

　・肘部管症候群

　肘部管症候群とは、肘で尺骨神経に慢性的な圧迫や牽引などが加わって、生じる神経障害をいいます。小指と薬指の小指側半分の手の甲側がしびれたら、「尺骨神経」の障害が考えられ肘部管症候群を疑います。
　原因としては、手首を固定している靭帯が厚くなったり、ガングリオンと呼ばれるでき物による圧迫や、骨折などの変形、野球などのスポーツで見られます。
　麻痺が進行すると鷲手変形と呼ばれる変形がみられ、猛禽類の爪のようになります。小指と薬指の変形や手の筋肉がやせたりします。

　・橈骨神経麻痺

　親指・人差し指・中指の手の甲側がしびれて、手首が日本のお化けのように垂れてしまう場合は、「橈骨神経麻痺」が最も疑われます。
　指や手が垂れてしまうだけの場合や手指の感覚まで無くなる場合があります。しびれは腕に出ても原因は首や肩にあることもあり、骨折などの怪我やガングリオンによる圧迫、スポーツなどによる使い過ぎ等が原因になることがあります。しびれは腕に出ても原因は首や肩にあることもあり、骨折などの怪我やガングリオンによる圧迫、スポーツなどによる使い過ぎ等が原因でなることもあります。

　・胸郭出口症候群
　手の甲・前腕・上腕がしびれている場合や両手がしびれている場合は、首の疾患や胸郭出口症候群などが疑われます。また、症状として感覚や運動障害の両方が起こる場合があります。
　例えば、電車のつり革につかまる時や、洗濯物を干す時のように腕を挙げる動作でしびれが肩や腕、肩甲骨周囲に痛みと共に出ます。長時間腕を挙げる作業をするなどの条件が揃うと指先が真っ白になります。なで肩の女性や、重い物を持ち運ぶ労働者に多くみられます。

◆どうやって治療するの？
　まず、当院では問診や触診等にて施術できるものか判断をしていきます。しびれは、筋肉の緊張や関節が正常な位置にいないことによる神経の圧迫によって起こるものや、脳や脊髄のように中枢神経由来の要因で起こる事もあり、時に重篤な疾患も想定されますので、もし当院で治療が難しいと判断した場合には信頼のおける医療機関へ紹介をさせていただく場合もございます。
　治療としては、問診によって原因となる筋肉や靭帯に対する筋膜リリースや超音波治療を行っていきます。また、しびれは日常生活や仕事などの生活環境の影響を受けている場合も多くあるのでそこに対する改善策の提案等もさせていただきます。